2009/08/26

Jerusalem Light Rail Transportation Bridge

先日来の解析ソフトのページから、これで最後、
イスラエル、エルサレムの橋。



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Calatrava's recently inaugurated Jerusalem's bridge, known as "Chord Bridge" carries tram railway. The bridge is a "Flagship Project" of Jerusalem's Light Rail Transportation system construction.
Located busy Jaffa street, the bridge act as "Entrance Gate to the City Jerusalem".

The bridge boasts white, single inclined pylon, high up 120m above, and bent at its mid point. It looks like abstract woman's body bending her back.
And another feature is twisted arrangement of suspension cables, which generate beautiful ,sweeping curve resembling huge harp.

The Architect says "I have built many bridges over the world, but I've never felt proud of like this ."
Aided by many structurally innovative ideas, I think this is a one of the most beautiful bridge of our time.




エルサレム市には現在トラム:いわゆる路面電車の敷設が計画されており、そのためのもの。
本橋はこのトラム計画の"flagship project"だ。
市の目抜き通り、Jaffa streetに建ち、エルサレムへの新しい"City Gate"となる

パッと見は斜張橋のようだが、実は写真のタワーの右側のケーブルは全て地上にアンカーされている。 よってcable stayed Bridge。



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タワーが途中で曲がっていることが一番の特徴。
どことなく抽象化した女性のシルエットを連想させる。
折れ曲がり:腰より上の方が短いように見えるが、
実際はパース(遠近)が効いているためで上と下はほとんど同じ長さ。


構造的には曲がる腰の所で前方にステイ:forestayで引っ張っているので
曲げモーメントも大きくは生じず、合理性は特に損なわれない。

計画当初のカラトラバのスケッチではタワーはまっすぐだった。
タワーを曲げたのは誰のアイデアだろう。。calatrava自身か事務所内の凄腕スタッフか。。

初めて見たとき、圧倒的な美しさ(とその構造的解決法)であっけに取られてしまった。

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project開始時に、打ち合せの席で、Jerusalemの市長はcalatravaにこう言ったそうだ。
「エルサレムは世界でも最も歴史のある都市のひとつだ。
だから私はここに最も美しい橋をつくらなければならないのだ。」

異論はあるかもしれないが、calatravaは見事にこれに応えたと言えるだろう。
なにせこのような橋は見たことがない。

「世界で一番」とは言い切れないかも知れないが、少なくとも
"one of the most beautiful":「世界で最も美しい橋のうちの1つ」
であることは間違いない。


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2つ目の特徴がcaltaravaのおハコ、ケーブルのinverted allignment:反転配置。
これにより橋の個性を強力に決定付けている。

Sweeping line:流れるような曲線が見事。









特筆すべきはケーブル上端、タワーとの納まり。
小さめのjointで、タワー側面ですっきりとコンパクトに納めている
タワー頂部のカットの仕方も抜かりない。

タワーは上半分が菱形断面、下半分は三角形断面。
ケーブルは菱形断面のコーナーをカットした面に留められている
このような断面のタワーも見たことがない。
考え抜かれた、ということだろう

ねじれたケーブルが見事な曲線を描く、ダイナミックな写真↑
立っている位置によってケーブルが刻々と表情を変えていくだろうから撮りがいのある、photogenicな被写体だろう。

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このinverted allignmentをやる場合、橋桁が直線だと、ねじれ面を描くケーブルが平面的に同一面になってしまうので互いにぶつかってしまう。
(正確に言うなら、タワーと橋軸が同一平面内にある場合。)

本橋は路面がカーブしているのでその心配はないが、calatravaは基本的には上記原則:橋桁がカーブの場合しか採用していない。
( reggio emillia の場合は逆にタワーの方がアーチ状にカーブしている)



ケーブル下端は桁から手すり状に立ち上げられた壁面のtopにアンカーされている。(桁を片面吊り)
これにより、片面吊りのために桁が外に倒れようとするのを(少しだが)キャンセルさせる効果がある。 (吊点が上がることで桁重心と吊材の離れ:偏心距離が減る)
さらにこの壁の内側には歩行者用通路があり、先ほどの倒れ力を更にわずかキャンセルさせる。

副次的に歩行者のオーバーヘッドをかせぐ(ケーブルが歩行者のアタマに当たらないようにする)ことができる

片面吊りによる倒れは桁がカーブしていることから主にはリング効果(横倒しになったアーチアクション)で処理されていると思われる

下記のyoutube動画からの橋桁の断面(CG)。
3角形断面の手すりと橋桁がL形断面を構成。
手すりは桁を引き起こすレバーアームとして働く

詳しくいうと、桁の中央と最外端にも立ち上がりがあり、漢字の「山」あるいは横倒しの「E」の断面となっている

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橋桁のスパン180mに対しタワー120mはちょっと高すぎかもしれない。
街のシンボルタワーの役割も担っているとも言えるが。。。

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鉄骨制作会社:koor metalが制作した、チョーわかりやすい施工プロセスのvideo。↓
ナレーションによるとタワーの(溶接)板厚は250mmとのこと!
橋桁のユニットは30mで370ton! 12t/m!





橋は市民にはおおかた受け入れられたが、なにせ歴史の深い都市。
「我々の町にあのようなモダンなものは合わない」と否定的な市民もいるとか。
ちなみには市民には”Bridge of String"(弦の橋)と呼ばれている
かわいらしい、お気に入りの写真。→



橋自体は'08.6月に完成。この後、トラム関係の工事が進み、供用はもう少し先。
Please feel free to comment.

2009/08/25

Athen Olympic Stadium

先日の解析ソフトのサイトから今日はご存知アテネスタジアム





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Athen Olympic stadium, designed by Calatarava for 28th Olympic games in Athen, is to add new glass roof over exisiting stadium bowl.
The roof is composed from two huge "leaves", supported by extremely thin arch soaring in the air.
The structure of this roof is just the same as Calatarava's Campo Volantin bridge in Bilbao.

Because of its thinnness, some engineer who saw the planned scheme criticised as follows.
"It's too thin. For an arch carrying such a long span , it is necessay to be the one that a bus can ride on it, like Sydney harbour bridge."
Despite of his worry, the arch realised in original dimension.

The roof is constructed at the side of exisiting stadium, and slid into position.
Each abut, carrying half the whole weight of roof 4000ton (for each abut) was moved.
As you know, the construction was big delay, and completion was just before the Opening Ceremony.

Athen Olympic officials said the stadium as "Architectural jewel".
I certainly agree that, but, regrettably, construction cost may be also like "jewel".
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空に伸びるアーチが屋根を支持する構造。 主催者はこのスタジアムを"Architectural Jewel"(建築的宝石)と呼んだそうだが完成度はまさにその通りだ。
ただ、工費もJewel なみだったろう。。(^^)

全体は、Campo Volantine橋を客席上に二つ、乗せたせたような構成。
それぞれの一枚の屋根をcalatravaは"leaf"(葉っぱ)と呼んでいた。

空に伸びるアーチ:”arch tube”、屋根面にあるアーチ:”torsion tube”のペアでタイドアーチを構成。torsion tube は下がってくるところで観客席ぎりぎりを通る。
アーチ形状を決めるときは苦労しただろう。


ご存知の通り、競技場横で屋根をあらかた組み立て、
その後、それを客席上に横滑り(スライディング)させる工法を取った。
確かひとつの基礎あたりの重量は4000 ton!だった。
スライドさせるのに必要な力はその数分の一だとしても、それでも大変な作業だったろう
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まったくの脱線話だが、TVで「○○トンの自動車を歯の力だけで引っ張る男!」みたいのがある。
物を横に滑らす力は重量×水平抵抗係数なので、車輪付きであればかなり小さい力となる。
よって彼は○○トンの力で引っ張っているわけではなく、もっと小さい力で済んでいるのだ。
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アーチスライディングのvideo(90秒athen olympic official siteより


屋根全体が、フィールド側、あるいは外側にデ~ン!と倒れてしまう力は、
(屋根面に水平ブレースを組んだ上で)基礎からΛ型のブレースを出して
これで2つの屋根端部を結ぶことで屋根全体を結合して対処している。。。
のだと思う。(完全な推測)
ただスライディングのときはその効果を発揮できない。どうやったのだろう。
基礎は大局的にみればピン。屋根全体の重心は屋根中央付近=基礎より高いとこにあるから必ず倒れようとするはずだが。。。
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アテネスタジアムについてのエピソードを。
スタジアムの概要を知った、Arup社のエースエンジニアの一人、
Tony Fitzpatric(フィッツパトリック)氏は次のように批判した。

「アーチが細すぎる。これだけの屋根を支持するには
シドニーのハーバーブリッジのような、
その上をバスが走れるくらいのものが必要だ」


氏の心配も分からなくはない。
このスパンから考えれば信じられないくらいの細さだ。
これだけスパンがあれば
トラスで組んだアーチにするのが普通かもしれない。

しかし氏の心配をよそに、
結局スタジアムは当初通りの細さで実現した。

やはり、何らかのtechniqueがあるのだろう。。。

Fitzpatric氏は主にFoster事務所の作品を担当。
Millenium Bridgeの改修設計などでもリードしたが、
惜しくも数年前に逝去した

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このアテネスタジアム、ご存じのとおり、
開会式ぎりぎりまで!工事をしていて間に合うかどうか、 世界中の話題となった。
当時私は毎日、olympicの official siteにuploadされる写真を見ては
進行状況をcheckしたものだった。
今さらながら、「よく間に合ったな~」と感慨深い 。

終盤は工事関係者、サイトエンジニアともども
シフト制で24時間体制だったんでは。。と想像する。。。

まあ、水泳場については、こちらも屋根がかけられる予定だったが、
間に合わないと判断されスクラップとされたそうだが。。

Olympic開会式の写真を少し。幻想的。





開会式のフィナーレはアーチから乱舞する花火!
これはどういう仕組みになってんだろう。。?


「宴」の後、ギリシャはそのOlympicに金をつぎ込みすぎたせいで
財政危機に陥った、と聞いたが。。。
(9.11後最初のOlympicで、警備費がかさんだらしい)

紆余曲折はありながらも、Athen Stadiumは14日間の役目を全うした。

2009/08/22

Venice: footbridge on Grand Canal

先日の解析ソフトのページから今日はヴェニスの歩道橋。

正式にはPonte della Costituzione:憲法橋、
通称calatrava橋と呼ばれている


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Ponte della Costituzione (Bridge of Constitution),or just known as "Ponte Calatrava", is only fourth bridge over Venice's famous Grand Canal.

Red coloured,extremely low arched structure caused many difficult structural problem to solve , such as high axial force of arch, deflection control, arch weakness against asymmertical load, erection method, and so on.

Because of soared construction budget, less considered for handicapped, striking appearance... the bridge caused hot controversy.
Anyway, the bridge inaugurated 11years after from its beginning,though planned openning ceremony was cancelled considering opposition.
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イタリア、ヴェニス(ベネチア)のグラン・カナル(大運河)にかかる、
4つ目の橋。
計画スタートから11年目にしてようやく完成した。
高騰した工費や、長引く工期、車椅子で通れないなど、
かの地では大論争になった。

超、低ライズ。 見事なプロポーション。
アーチの、最も美しいスパン-ライズ比だろう(1/16とのこと)
アーチアクションで荷重のほとんどを流している模様。
calatravaには珍しい赤の塗装。





完成時はarch actionに頼ることことから、
基礎に据え付けるまで=工事中は自立しない。
これより輸送時は仮設のタイバー(アーチタイ)が設けられた。
(下図、白い部材)







橋の基本構造は上弦1本、下弦2本のVierendeel Truss。
ただし下写真の通り、かなり特殊な構成。 (大の字型)



現在2本の足、計画当初は4本でw型だった。
(現在片持ちの床梁の先端と、下弦材を結ぶように部材があった)
W→Λに(おそらくcalatravaが)変更したとき、
エンジニアサイドは「そんなのできるのかよ」と思ったに違いない。
(少なくとも私だったらそう思う。)
ただ最後の夜景の写真からわかるように現況案の方が美的には良いようだ


Λ型の足は橋の軸方向、その直行方向いずれも曲げで抵抗するから
その断面はbox型。板厚は相当なものだろう

橋の正面から見ると「足」はアーチの円中心に向かうような配置。

上写真ではtop chordはパイプ1本だけど、
実際はプレートで三角形断面になるように補強されている


Night View


下弦材の横にL型部材が溶接され、その中に照明が隠されている。スマート。
なおそのL型材も構造体としてカウントされているようだ

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設計完了までに8つの構造コンサルタントに
検討依頼(たらいまわしに)されたとのこと。

’08.9月にオープン。その時、完成式典が予定されていたが、
反対派の感情に配慮して取り止めとなった。



Montjuic Tower

画像サイト:Flickerを見ていたら面白い画像を発見。

トロフィーを高々と掲げる女性!?
Monjuic Towerの精巧なミニチュア!?


その種明かしは。。。。







コチラ。。。



台座の部分はフォトショップで消したのかな。


ピサの斜塔の「お約束」を思わせる


2009/08/21

Reggio Emilia(2)

昨日の続き。
コチラは主塔がhoop状の橋





このようにアーチが車道と直角方向に掛けられたものは
既に世界に幾つかははある。

ただ、一番の特徴であるこのねじれたケーブルアレンジ
(inverted alignment 反転配置」)をやったのは
calatravaが最初じゃないだろうか。
これによって、単なる荷重伝達材だった吊りケーブルが、
美的エレメントに昇華されてしまった


タワーより遠いケーブルほどタワー下部にアンカーすることで、
ねじれたHP曲面のような線織面が形成される。

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(あくまでHPのような、であってHPではない。
HP曲面とは直線を等間隔で一定距離、ねじっていったときに
形成されるもののみを指すため)
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ただしこのようなアレンジの場合、一番下にアンカーされるケーブルが
タワーにある程度の角度をなしていないと(あまり緩やか過ぎると)そのケーブルが効かない。
これより必然的にタワーは一般的なものよりも高さが高くなる。

(全くの余談、たわごとだが、私は約15年前、calataravaがこのalignmentをやる前に、独自にこれを考えたとこがあった。
ただそのときは「外の(遠い)ケーブルの角度がゆるすぎて効かないだろう」と思い、それ以上考えるのをやめてしまった。)

↓ミキサー車は荷重実験のためと思われる 。
これを見る限りは主塔と桁はtouchしていない模様。。(最近の主流?)
ただtorisonは処理しているのでは。。。?




↓こちらはunique. Construction Sequence:施工工程のvideo。






このHighway を実際ドライブしたらどんなカンジになるか。。。
さっそく体験!
こちらのyoutubeがgood
ケーブルがみるみる表情を変えていく






異国のdrive風景がカンタンに分かるなんて。。。
便利な世の中になったもんだ。

Night View
ねじれたケーブル面が優美。

橋中央に走るspine(背骨):torsion tubeから車道が片持ちで飛び出す構成。
alamillo橋などと同じ。

Reggio Emilia にはこれらの他に、tollgate(料金場)、
高速鉄道(新幹線)の駅↓がcalatravaによりデザインされる予定。

2009/08/20

3 Bridges on Reggio Emilia Highway

さっそく名刺がわりに1本投稿。

非常に濃い内容のページを見つけたので紹介。
straus7という、構造解析ソフトのサイト
本ソフトで解析した構造物を多数紹介している。

その中から今日はコチラ。
イタリアのReggio Emilia(レッジョエミリア)に建つ橋。

シングルアーチの橋(下)と、その左右に主塔がhoop(アーチ)状の橋(上)が2つ建っている。




今日はまずこのアーチ橋↑の方。
アーチの面外座屈はアーチ幅を広くすることで対処してる模様だが。。
それにしても薄い気が。。
何か特別なtechniqueがあるんだろうか。。あるんだろうな~
ケーブルアレンジ(配置)は、アーチの円中心に向かうような配置。

面白いのはコチラ↓。アーチ建て方はアーチ中央にヒンジを作り、
3ヒンジアーチの要領で行われた。




↑ヒンジ部

続きのページ

下は定点観測写真で作った施工工程のvideo




construction sequence:施工工程


pilot issue / 創刊号


はじめまして。calla(カーラ)と申します

このblogでは主にカラトラバについてwebから集めた情報を(好き勝手に)紹介する予定です。

タイトルの”Daring Flight ”(デアリング フライト)とは、十年ほど前のcalatravaの作品集(本)のタイトルから頂いたもの。
訳すと「大胆な飛翔」という所でしょうか。
サトラス駅など、氏の建築には「飛翔」のイメージ(コンセプト)が似合います。
さらにはその様(さま)はあまりにも「大胆」です。

今日はまずはごあいさつまで。